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樹木信仰
樹木信仰には、生きている樹木の枝がどちらの方向に向かって伸びているかをみて、
神の意思を探ろうとするものがあった。
ツゲノキは、よく一本の枝を横に伸ばす、それが何事か神の意思を
つげているようにみえるところから、名前をツゲとされたという説がある。
一方向に枝を伸ばすことのできる数多い樹木のなかで、
松にはことにその霊力があるとされていた。
一方向に枝を伸ばした松でよく知られたものに、熱海の都松、
天橋立の都恋しの片腕の松、紀州の日高北道のなびきの松原などがある。
なびきの松原の姿は、ほとんどすべてが熊野権現の方へとなびいているのである。
有岡利幸 著者 「松と日本人」 より
#松#赤松