不老、延命を得るために

 

中国の古い書物の「列仙伝」、「神仙伝」には、道士に松葉を食うことを教えられ、

飢えも凍えもしなくなり身は飛ぶように軽くなった毛女、

鄭の人で若い頃里山で松の実や茯苓を採取しこれを服用し

数百歳まで壮者のようであった犢子、

松脂を食べて不老となった仇生、松を食べ仙人となった握仙、赤松子、

文賓の妻、黄初年など多くの人々が記録されている。

 

この人々は、不老、不飢、延命、長命、若返り、軽身などを得て仙人となっている。

 


仙人となる食べ物を記した書物「本草集注」には、このほか増年、

魂魄を安んず、養神、通神、益気、頭不白など、

仙人になった時の効能があげられている。

 


この書物名は、藤原宮跡の発掘の際、出土した木簡にもみられたという。

 

 

「本草集注」には、数多くの薬草名が記されていることから、

仙人にならないまでも、不老、延命を得ようと考えていた当時の

人々の愛読書の一冊であったと想像される。

 

 

有岡利幸 著者 「松と日本人」 より

 

 

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